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kinto-unのブログ

中国の小さな会社で働くkinto-unの徒然日記

任天堂とDeNAの業務・資本提携発表に関して思うこと

ビジネス

任天堂ディー・エヌ・エーDeNA)が業務・資本提携してスマートフォンスマホ)向けのゲームを開発すると発表した。

個人的に最大の焦点は、具体的なタイトルやそのスケジュールであるが、それらは一切明かされなかった、というより会見を聞いているとまだ決まってないようだ。

私が思うに、【ゲーム専用機向け】か【スマートデバイス向け】かという軸には違和感を感じている。
本来あるべき軸は、【シングルゲーム】か【オンラインゲーム】かということなのではなかろうか?

その意味において、任天堂の岩田社長が今回の発表でも強調していた「ゲーム専用機向けのタイトルを、そのままスマートデバイスに移植することはしません」という部分にすごく引っかかりを感じる。

ドラクエ」なんかはゲーム専用機向けをそのままスマホに持って来てビジネスとして大きな成果を上げているのだから、素直にそれでいいじゃないかと思う。
DeNAと組むような複雑なことをする必要も無い)

また一方で、過去にシングルゲームの王者・大ヒットタイトルが、(PCでの)”オンラインゲーム化”に失敗を繰り返してきた歴史がある。
メタルギアオンライン」しかり、「グランディアオンライン」しかり、「シェンムーオンライン」しかり。。。死屍累々である。

"主人公は一人"、有名ゲームクリエイターがしっかりとした世界観とシナリオで作り込んだゲームを楽しむシングルゲームであるから、それを"みんなが主人公"のマルチプレイゲームにすることそのものが無理だったのであろう。
というか、ゲームの製作過程においてそれら有名ゲームクリエイターにとって我慢ならない場面がたくさんあったであろうことは想像に難くない。

基本的に、PCもスマートデバイスも同じであり、ビジネスとして成功しているのは
(1)超有名【シングルゲーム】のそのまま移植版
(2)【オンラインゲーム】
である。

任天堂は(1)をやらないという、自ら変な足かせを設けた。

そして、(2)をやるのである。
しかし、(2)をやるにしても、「過度な(ギャンブル性のあるガチャのような)課金はやらない」ということだが、これではDeNAと組んだ意味が無い。
DeNAの"強み"を殺してどうするんだ?と思う。

冒頭に書いた通り、【ゲーム専用機向け】か【スマートデバイス向け】かということではなく、【シングルゲーム】か【オンラインゲーム】かということ、つまり”ユーザーの遊び方”を軸に語り合うべきである。
スマートデバイスで(1)をやらない、というのはナンセンスであるとさえ感じる。

任天堂の岩田社長は、今回の会見で「新しいビジネスモデルの発明ができたら最高」と言うが、まさにそれは任天堂自身が考えることに対してファンが期待するわけであるからして、射幸心課金の雄であるDeNAと組むことには、ファンとして「?」が付くわけである。

任天堂は常に”ユーザーの遊び方”のみを追究してきた尊敬すべき企業である。
任天堂の有名クリエイターである宮本茂氏は、【シングルゲーム】の世界において世界最高峰にいる人物であるから、【オンラインゲーム】の世界でどのような遊びを提供してくれるかに期待したいし、過去に死屍累々の”シングルゲームのオンラインゲーム化”と同列に並んで欲しくない。
が、【オンラインゲーム】に宮本茂氏がエネルギーを注ぐことになるとすれば、それは結果的に任天堂の主戦場である【ゲーム専用機向け・シングルゲーム】の質や量が落ちる、ということになりかねない。

じゃなければ、今回の発表が任天堂の”ちょっとした小遣い稼ぎ”の表明なんだとすれば、「新しいビジネスモデルの発明ができたら最高」なんて言わなければいいのに。「そう甘くはない」んだから。
DeNAにしても、KPI(データ)が悪ければ力を入れてやりはしないだろう。
なぜなら、DeNAは「ゲームが面白いかどうかではない。射幸心を煽ったギャンブルゲームであろうが儲かることが重要」というDNAを持った企業であり、任天堂のDNAとは相容れない。(会見の最後に「盗むっていうのはちょっと聞こえが悪いですね」に象徴されるような精神構造の違いがあるのである)
任天堂の小遣い稼ぎにいつまでもDeNAのエース人材を充ててつきあうとは思えないし、そんな余裕もないはず。

・中途半端な株式持ち合いによる資本提携
・(1)をやらない方針
・(2)ではDeNAの強みを殺す方針
双方共に、まさに足かせだらけである。

今回の発表は、市場から「任天堂スマートデバイスへ進出しないのか?遅い!」などと急き立てられたから、具体的な遊び方の提案も決まってないままに中途半端な株式持ち合いと、【スマートデバイス向け】などと(私から見れば軸のずれた)発表することだけを決めたのだとしたら、それは任天堂の迷走の始まりである。
そうでないと信じたいので、早く具体的なタイトルや遊び方の提案を発表して欲しい。