kinto-unのブログ

中国の小さな会社で働くkinto-unの徒然日記

関係性の逆転

「ダイヤログ・イン・ザ・ダーク(DID)」は、真っ暗闇の中に8人1チームで入場し、アテンドと呼ばれる視覚障害者に案内役をしてもらうことにより、立場がリセット/フラットになり、共同作業を通してお互いの信頼を高めるイベント。
日常の世界とは関係性を逆転させることにより、起き得ること。
これは何かのヒントになる。

セガはどこかの会社に売られるのかもしれない

セガサミーが、

「4月1日~16日に309万株・総額55億円の自社株買い実施、2月12日発表分の自社株買いが終了」

という発表をしながら、実はその裏で

「里見会長が1687万株・総額300億円分を売却したのでは〔日経QUICKニュース(NQN)〕」

というニュースが流れた。

買っている株より、売っている株の方が圧倒的に多い、、、

これってどうなの?

というより何より、”里見会長がセガを手放したい”という意思が見えるのが重い。。。

ちなみに、なぜセガをか?というと、サミーは大きな利益を出しているから手放すとは思えないので。

セガホールディングス」などとホールディングスの下にホールディングスを作ったり、役員が同じような顔ぶれにも関わらず細かく子会社に切り分けたりと、不思議なことをやっているなぁと思ったら、これってセガを切り売りしやすくするための準備なんじゃないの?などと勘ぐってしまう。

もし本当に里見会長(もしくはサミー)という大口スポンサーがセガ資金援助しない(自身の持ち株を大量売却)という方向に向かっているのなら、もうこれは別のスポンサーを探すしか無いわけで、つまりセガをどこかの会社が買う(スポンサーになって救済する)しかないよねって思ってしまうがどうなんだろう。

まぁそもそもすでに「セガ」という社名自体はこの4月1日の組織改編で消滅しているわけだが・・・。

 

グノシー、本当に上場するの?

グノシー、本当に4月28日に上場するの?

ニュースキュレーションアプリって、個人の趣味でソフト作ってベクターあたりで配布して小遣い稼ぎする程度のものなんじゃないかと思ってたんだが。。。

というか、宣伝費作って会員数集め、赤字のままでも、株主がIPOで莫大に儲かるなら、それって誰でもできるのでは?って思ってしまうけど、何か私の知識不足とかで誤解あるのかな?

広告宣伝費に10億円つぎ込んで、利用者を70万人増(180⇒250万人)したとか。

それはいいと思うけど、でも、それって誰でもできる。つまらんアプリでもできる。

で、赤字のままでいいんでしょう?

その状態のまま速攻で上場すると、株主(創業者やVC)は50倍ぐらいになって、莫大に儲かって(キャピタルゲイン)エグジットなわけでしょう。

 

繰り返すけど、広告宣伝費を突っ込んで会員数を増やし、それでIPOしたら何十倍にもなってリターンが来る、ってことって、誰でも、どんなアプリでもできてしまうでしょう。

5億円突っ込んで、250億円になって戻ってくるのが分かってるなら、誰でもやるよねぇ。

本当に上場するの、これ?

っていうか、上場して高い株価で買う投資家(たぶん個人投資家)がいて、もしgumiのような「上場ゴール」にでもなってしまったら、錬金術の種明かしをライブで見てしまうことになるような気分。

個人的には、”持続的な”利益がしっかり出ることが確認できてからの上場でいいんじゃないかと思うのだが。

(もちろん、広告売上が自作自演売上で無いことが大前提であることは言うまでもないし、まさかそんなことはないと思うが。)

 

PS.

あと、気になるのは、gumiにも出資してた、グノシー創業者の木村新司氏。

シンガポール在住になっているあたりも、あまりにもテクニカルな気がしてしようがないのだが。。。

 

知り過ぎると、思い切ったことができない

今、インターネットやら(SNSやら)のお陰で、ヒトがモノを知り過ぎることが多い。

日本国民の"一億総評論家"状態になるのはかなり危惧される。
メディアも部数が伸びる記事を書く(扇情的であれば事実は別として、部数は伸びる)というモチベーションに抗えないし、広告スポンサーに逆らえない体質も現実的には是正しようがない。

そんなこんなで、いろんなことを知り過ぎて萎縮し、ジャンプできないのは良くないな。
むしろ、知らぬが故に「バカなことを・・・」と言われる方がいい。
本当にセンスが良い人間なら、知らないことで飛躍できることがあると思う。

ヤンチャと第二弾

ある一つの事業で大きな成功を収めた人がいる。これが第一弾とする。
(ベースは、タイムマシン経営ではあったのだが)
で、この同じ人が、第二弾を「今度はオリジナルだ」「次の時流に乗ってる」と言わんばかりに起業する。

この時に思い出すのは、第一弾の時は"無名だったから"、実はいろいろヤンチャをやらかしているんだよねってこと。
個人情報保護もへったくれもなく、そもそも法律が追いついてなかったりする中で、会員数や売上を伸ばしたわけで。

そういうことを思い出すこともせず、「あの成功を収めたこの人がやるんだから」という期待感の中での第二弾。
もうこの時には、この人は有名になっているわけだから、注目度も高く、法律なんかも整備されていたりして、つまり結局、、、無茶できないわけであるが「私、第二弾やります!」と大々的に発表しちゃう。

第二弾を開始する時のハードルを、自ら上げる必要があるのだろうか?


任天堂とDeNAの業務・資本提携発表に関して思うこと

任天堂ディー・エヌ・エーDeNA)が業務・資本提携してスマートフォンスマホ)向けのゲームを開発すると発表した。

個人的に最大の焦点は、具体的なタイトルやそのスケジュールであるが、それらは一切明かされなかった、というより会見を聞いているとまだ決まってないようだ。

私が思うに、【ゲーム専用機向け】か【スマートデバイス向け】かという軸には違和感を感じている。
本来あるべき軸は、【シングルゲーム】か【オンラインゲーム】かということなのではなかろうか?

その意味において、任天堂の岩田社長が今回の発表でも強調していた「ゲーム専用機向けのタイトルを、そのままスマートデバイスに移植することはしません」という部分にすごく引っかかりを感じる。

ドラクエ」なんかはゲーム専用機向けをそのままスマホに持って来てビジネスとして大きな成果を上げているのだから、素直にそれでいいじゃないかと思う。
DeNAと組むような複雑なことをする必要も無い)

また一方で、過去にシングルゲームの王者・大ヒットタイトルが、(PCでの)”オンラインゲーム化”に失敗を繰り返してきた歴史がある。
メタルギアオンライン」しかり、「グランディアオンライン」しかり、「シェンムーオンライン」しかり。。。死屍累々である。

"主人公は一人"、有名ゲームクリエイターがしっかりとした世界観とシナリオで作り込んだゲームを楽しむシングルゲームであるから、それを"みんなが主人公"のマルチプレイゲームにすることそのものが無理だったのであろう。
というか、ゲームの製作過程においてそれら有名ゲームクリエイターにとって我慢ならない場面がたくさんあったであろうことは想像に難くない。

基本的に、PCもスマートデバイスも同じであり、ビジネスとして成功しているのは
(1)超有名【シングルゲーム】のそのまま移植版
(2)【オンラインゲーム】
である。

任天堂は(1)をやらないという、自ら変な足かせを設けた。

そして、(2)をやるのである。
しかし、(2)をやるにしても、「過度な(ギャンブル性のあるガチャのような)課金はやらない」ということだが、これではDeNAと組んだ意味が無い。
DeNAの"強み"を殺してどうするんだ?と思う。

冒頭に書いた通り、【ゲーム専用機向け】か【スマートデバイス向け】かということではなく、【シングルゲーム】か【オンラインゲーム】かということ、つまり”ユーザーの遊び方”を軸に語り合うべきである。
スマートデバイスで(1)をやらない、というのはナンセンスであるとさえ感じる。

任天堂の岩田社長は、今回の会見で「新しいビジネスモデルの発明ができたら最高」と言うが、まさにそれは任天堂自身が考えることに対してファンが期待するわけであるからして、射幸心課金の雄であるDeNAと組むことには、ファンとして「?」が付くわけである。

任天堂は常に”ユーザーの遊び方”のみを追究してきた尊敬すべき企業である。
任天堂の有名クリエイターである宮本茂氏は、【シングルゲーム】の世界において世界最高峰にいる人物であるから、【オンラインゲーム】の世界でどのような遊びを提供してくれるかに期待したいし、過去に死屍累々の”シングルゲームのオンラインゲーム化”と同列に並んで欲しくない。
が、【オンラインゲーム】に宮本茂氏がエネルギーを注ぐことになるとすれば、それは結果的に任天堂の主戦場である【ゲーム専用機向け・シングルゲーム】の質や量が落ちる、ということになりかねない。

じゃなければ、今回の発表が任天堂の”ちょっとした小遣い稼ぎ”の表明なんだとすれば、「新しいビジネスモデルの発明ができたら最高」なんて言わなければいいのに。「そう甘くはない」んだから。
DeNAにしても、KPI(データ)が悪ければ力を入れてやりはしないだろう。
なぜなら、DeNAは「ゲームが面白いかどうかではない。射幸心を煽ったギャンブルゲームであろうが儲かることが重要」というDNAを持った企業であり、任天堂のDNAとは相容れない。(会見の最後に「盗むっていうのはちょっと聞こえが悪いですね」に象徴されるような精神構造の違いがあるのである)
任天堂の小遣い稼ぎにいつまでもDeNAのエース人材を充ててつきあうとは思えないし、そんな余裕もないはず。

・中途半端な株式持ち合いによる資本提携
・(1)をやらない方針
・(2)ではDeNAの強みを殺す方針
双方共に、まさに足かせだらけである。

今回の発表は、市場から「任天堂スマートデバイスへ進出しないのか?遅い!」などと急き立てられたから、具体的な遊び方の提案も決まってないままに中途半端な株式持ち合いと、【スマートデバイス向け】などと(私から見れば軸のずれた)発表することだけを決めたのだとしたら、それは任天堂の迷走の始まりである。
そうでないと信じたいので、早く具体的なタイトルや遊び方の提案を発表して欲しい。