kinto-unのブログ

中国の小さな会社で働くkinto-unの徒然日記

今にして思うジャイアント馬場さん

昭和40年代生まれの私は少々古い話題になってしまうかもしれないが、私が中学生の頃は金曜日のゴールデンタイムと言えば19時〜23:00まではテレビから離れられなかったし、少年ジャンプも記録的なヒットを遂げた漫画や未だに続く連載漫画が今思えば信じられない作品が一つの週刊誌に詰め込まれていた。
当時は”コンテンツ”などという横文字も無いしそのような単語がイマイチピンと来ない面もあるが、ただただ純粋に楽しい作品と向き合う日々があっただけで、しかもそういった作品と出会うことがあれほど濃密な毎日というのは、今の日本のクリエイティブを支えているのだと改めて思う。

毎週毎週がエキサイティングであったわけだが、そんな時代の金曜日。
新日本プロレス
ヘビー級では魂を感じさせる赤いタオルのアントニオ猪木さん、ジュニアヘビー級では四次元殺法のタイガーマスク
数々のライバルが登場し、それらを打ち破る姿に、心が震える日々であったことを今でも覚えている。近くで興業がある時は見に行き、それがショービジネスの初体験ともなった。

新日本プロレス」のライバルと言えば、「全日本プロレス」。
それを率いていたのがジャイアント馬場さん。

ビジネスマンとして大成功を遂げたジャイアント馬場さんだが、K-1やプライドとの比較論は今さらここでするつもりはなく、備忘録。

・分かり易い特徴:身長2m以上、顔や声
・元巨人軍選手
・大いなるマンネリ:16文キック(みんなが待ってる)
・超スローなプレイスタイル:逆("絶対あり得ない"の演出)
・神秘性と人間性:一度しか見せないもの

エンターテイメント作品を"連続で"ヒットさせ続けるのはとても難しいことだ。
誰もが”一発屋”にはなりたくないが、連続ヒットは非常に難しい。
というか、投資の世界同様「それはあり得ない」といった方が正しいかもしれない。
漫才師なら司会にでもなればいいが、他のエンターテイメントビジネスをやっている人にはその道は無い。

"新しい笑い"を作っていき、常に連続ヒットを続けることは難しい。
"新しいヒットソング"を作っていき、常に連続ヒットを続けることは難しい。
"新しい映画"を作っていき"、常に連続ヒットを続けることは難しい。

常に最前線を走っていくことのできる若者の体力でなければ、そのような所行を達成することは不可能だし、体力や一発屋的な運が無ければできるものでもない。

エンターテイメントの世界は"誰もが待ち望んでいるもの"に対する期待を裏切らないことではないだろうか?

"毎回毎回"裏切らないこと。
だけど、歌舞伎のような古い伝統芸能のように、若い人を無理矢理呼び寄せようとすることもないことも重要かもしれない。

だとすれば、全日本プロレスにおけるジャイアント馬場さんの成し遂げたことにヒントがあると思った次第。